『認知症と音楽』に関する情報サイト
【 高齢者総合的機能評価 】
【高齢者総合的機能評価】
1.高齢者総合的機能評価 (CGA)
高齢者総合的機能評価 (CGA)とは?
認知症を含めた高齢者の慢性疾患への治療・介護の現場において大きな問題となるのが
患者の苦痛、能力の障害、社会的ハンディキャップといった、客観的に正確に測定・評価することが困難な問題である。
患者のQOLの向上を目的として、この「能力の障害」を包括的に評価する方法が
高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment)である。
以下に「高齢者総合的機能評価ガイドライン」(長寿科学総合研究CGAがいどらいん研究班・著:厚生科学研究所)に準じ、代表的評価法を挙げる。
認知機能の評価:DSM-VIの診断基準からみると、認知機能は以下の3つに要約される
1.短期記憶。長期記憶
2.抽象思考、判断力、構成力、ものの認識、動作、言語表現
3.社会生活、職業、対人関係に支障がない能力
認知機能の評価尺度 | 1.短期記憶、長期記憶の検査 痛みのポリシー ミニメンタルステート検査(MMSE) 3.社会生活、職業、対人関係の障害の検査 柄澤式「老人知能の臨床的判定基準」 |
問題行動の評価:ここで言う「問題行動」とは、認知機能障害、心理学的障害、生理学的障害などを背景として出現する症状を指す。
認知症では、いわゆる中核症状と呼ばれる記憶障害、見当識障害、実行機能障害などの他に、周辺症状と呼ばれる幻覚、妄想、徘徊、不穏、攻撃性などの非特異的な症状が認められる。
この周辺症状の多くは行動の異常として現れ、介護困難の主たる原因となると同時に患者自身の安全をも脅かす。
これが問題行動に該当する。
問題行動の評価尺度 | 痴呆行動障害尺度(Dementia Behavior Disturbance Scale : DBDスケール) |
重度認知症高齢者における残存機能(意欲と認知)の評価:従来の認知症重症度評価法によって最重度と判定された患者においても、生きる意欲や何かを行う能力は残されている可能性がある。
こうした、従来の方法では分類・分析が困難な、重度認知症高齢者にわずかに残された能力を評価する方法。
重度の認知症患者においては、家族や介護者はとかく「もう何も出来なくなった」と考えがちである。
このような状況に対し、何か「できること」を見出すための評価を� ��別に行うことは、適切なケアを行うためにも重要である。
重度認知症高齢者における かゆみPAMSの意味 | 三つ編みテスト |
意欲の評価:ここで言う「意欲」とは、「人、環境や事象に対する積極的な反応」を指す。
意欲の評価の意義:・意欲は病状の悪化、慢性炎症、低栄養などで容易に低下するため、身体状況の把握の指標のひとつとなり得る。
・意欲を測定することにより療養環境が心地よいものか否かを推量する指標となり得る。
・リハビリテーションやレクリエーションへの適応を判定する際の指標となり得る。
・意欲と要介護度には比較的高い相関性が認められる。
意欲の評価尺度 | Vitality Index |
うつの評価:高齢者において精神的に問題となる疾患の中で、老年期うつ病は認知症に次いで多くみられる疾患であり、認知症との鑑別が必要な疾患の代表のひとつでもある。
うつの評価尺度 | 高齢者抑うつ尺度(Geriatric Depression Scale : GDS) |
慢性疼痛の管理契約コミュニケーションの評価:ここで言う「コミュニケーション」とは、「話し言葉による意思の伝達」を指す。
コミュニケーションの評価の意義:・コミュニケーション能力は視覚障害、聴覚障害、言語障害、認知機能低下、うつ、意欲の低下など様々な要因で容易に低下するため、全身状況の把握の指標のひとつとなり得る。
・リハビリテーションやレクリエーションへの適応を判定する際の指標となり得る。
・その人に合ったコミュニケーション手段を選択できる。
コミュニケーションの評価尺度 | ミニコミュニケーションテスト |
健康度の評価:ここで言う「健康度」とは、「身体的、精神的、社会的に満足し得る状態」を指す。
健康度の評価尺度 | 社会的背景とライフスタイルの評価 |
ADLの評価:ADLには、身の回りの動作を中心とする基本的ADL(Basic ADL : BADL)と、自立した社会生活に必要な活動からなる手段的ADL(Instrumental ADL : IADL)とがある。
リハビリテーションの目標設定や効果判定、環境に起因する問題点の発見、介護の必要性の評価などにはADL評価が必要不可欠である。
ADLの評価尺度 | Barthel Index |
ソーシャルネットワークの評価:ここで言う「ソーシャルネットワーク」とは、「個人としての高齢者を中心に構築された社会的人間関係」を指す。
ソーシャルネットワークの評価の意義:・ソーシャルネットワークの維持は健康状態の改善やストレスの軽減に有効である。
・社会的な孤立の検出および予防
ソーシャルネットワークの評価尺度 | Lubben Social Network Scale(LSNS) |
閉じこもりの評価:ここで言う「閉じこもり」とは、「行動範囲が屋内に限られ、かつ生活行動の活動性が低い生活のありよう」を指す。
閉じこもりの評価尺度 |
介護サービスの質の評価:ここで言う「介護サービスの質」とは、「医療・介護サービス提供者側が利用者に提供するサービスの質」を指す。
介護サービスの質の評価尺度 |
介護負担の評価:ここで言う「介護負担」とは、「介護者が介護をすることによって被った、心身の健康や社会生活および経済状態に関わる損失」を指す。
介護負担の評価尺度 |
書籍情報検索・購入リンク集:
0 件のコメント:
コメントを投稿